――アミダスでは、ajinajiプロジェクトというものを立ち上げました。

ajinaji、つまり、味な字プロジェクトなのですが、デジタルが進み、手書きで文字を書くことが少なくなり多様化が進んだ今、文字ももっと多様化させていこう、上手い下手ではなく、その人それぞれの筆跡の個性を認めて、アナログの良さ、温かみ、そう言ったものを、今の時代に合わせたやり方で、広く伝えて行こうというプロジェクトです。

 

今回のテーマは「手書き×集中力」!
集中力を高めることに特化したオフィス「Think lab(https://thinklab.jins.com/)」にお邪魔して、整えられた環境に加えて、手書きで文字を書くことがいかに集中力を高めアイデアを出す時に有用かを試してみました。

 

 

JINSさんにもご協力いただき、まずは集中力を測るメガネ「JINS MEME」を装着。
(なんでも、まばたきと視線移動をキャッチして集中・活力・落ち着きなどの状態を捉えたり、体軸変化を検知できるのだとか。)
その後、広いフロアにズラっと並んでいる、少々角度のついたデスクに移動!デスクの奥が少し上がったこのデスクは、アイデアを発散させるのに向いているそう。
6名の参加者の皆さんに着席してもらい、アイディア出しスタート。
20分間という制限時間の中で、「手書き文字を使った社会を変える新たなサービス」というテーマについて考えてもらい、その時の状態やアイデアの出し方について、それぞれ聴いてみます。

ami まずはAさん、「JINS MEME」で計測された数値はいかがでしたか?

Aさん 集中が13パーセントで、深い集中が1パーセントでした

ami どうでした、感じ的には? 案が出なくていらいらしちゃったとか。

Aさん いらいらしてないけど、どうしたものかなと思いながら、ある意味無心というか、結構、ぼぉーっとしながらやってました。

ami Bさんはどうですか? 20分の作業中

Bさん とても集中できました。普段だとメッセンジャーでのやり取りをずっと1日中やっているのですが、紙に向き合うと、その辺のことをまったく考えない。つまり、メッセンジャーのことをまったく考えないので、誰か他の人のことを20分間、本当に一回も考えなかった。

ami Dさんはどうでしたか?

Dさん 私はダメでした。人が横に並んでいたり紙をめくるような音が気になって集中できなかった。

ami 僕は、20分って、制限時間が気になって仕方がなかったです。20分でアイデアを出すのはきついなって、最初の10分ぐらいは平気だったんですけど、途中から「あと何分だ」というのばっかり急かされる気持ちになって、椅子とか環境は良くて、集中はできていたんですけど、残り時間ばっかり気になって……。

ami Eさん、どうでした?

Eさん 私、慣れない環境って、すごい集中できるようになるまで、時間がかかるんですけど、今日は結構、入りが早かった気がする。シューって入っていけた。深かったから、最初はちょっと落ち着かなかった。そして、案が出た時に急に集中が下がって行くのを感じました。

ami ちょっとここでJINS MEME(ジンズ・ミーム)の開発者さんに実際にお話しを伺いましょう。。

JINS 担当者 JINS MEMEの担当の開発を担当した者です。じつは集中のメカニズムを紐解くのに、今の話にヒントがあって、前、将棋の棋士で測ったとき、詰将棋で答えが出る瞬間にガーッと集中力が上がったんです。

ami ん?それはどうしてなんですか?

JINS 担当者 なぜかと言うと、脳内でいろんな樹形図を描いて、こうやってこうやって……、「あっ、これ、いけそう」って思う。その時に集中力は上がる。のめり込みというのでしょうか。いけそうだ!と辿ってみて、「あっ、ダメだ」という挫折が生じたときに集中が下がるということがわかったんです。

ami なるほど……。

Aさん では、詰将棋で勝つときは……。

JINS 担当者 勝つときは、これで決まったっていったら、そのあと、集中が落ちるんです。

Aさん 落ちる。じゃあ、指すまでの集中力が高いんですね。

JINS 担当者 そうそう。だから、JINS MEME(ジンズ・ミーム)の計測で出るグラフにあるように、一個のアイデアを出すところまでぐーっと上がって、グッと下がるという形になるんです。

JINS 担当者 あと、何かに没頭しているかどうか、真ん中がリラックスしているかどうか、右が姿勢(身体)が安定しているかを表す計測表示があります。身体が安定していることも集中力につながるんです。

Cさん 安定しているってどうやって測るんですか? 身体が頻繁に動いたりとかしないと、ということですか?

JINS 担当者 そうですね。やっぱり、身体が安定しているほうが思考は安定して集中できやすいので、肺活量がずっと担保できて、いわゆる、瞑想のときの調身・調心って言うんですけど、しっかりしていると、思考もブレにくいです。

ami 集中力を高めるには身体を鍛えたほうがいいということですか?

JINS 担当者 体幹トレーニングだけで、大きな筋肉はいらないです。

Dさん なるほど……。何回も態勢変えちゃってたなぁ・・・。そのたびに集中が切れてたんだな。

JINS 担当者 実際、“これを考えろ”というテーマを与えられることで、一つのことに集中し他のことを気にしなくなる。つまり、メッセンジャーの通知を気にしなくなる環境に身を置いてみるのも、体にとってもすごくいいというのは言われていますね。
人って、何かに集中しようとした時、集中しようと思ってから、本当に深い集中に入るのに、23分かかるそうです。本当に深い集中は。

Aさん 23分……。

Cさん へぇ……。

ami それなのに、現代人は10分に一回は話しかけられるとされているし、メールやメッセの通知もガンガン来るので、絶対集中ができないです。だから、メッセンジャーとかSlack(スラック)は集中にとっては最悪で、通知を切ってあげないと、思考がほかに行ってしまうので、本当によくないと思っていました。なので、手書きはそいういう意味でもすごくいいなって。ポップアップからの解放です。

Dさん 確かに。手でメモを取りながら思考していると、その紙の上は本当に自分だけの時間・空間になるし、話しかけられはしても自分で他を排除できる。デスクでの手書きは一面(一目)で見て把握できるからPC画面のスクロールもないし、集中できる。

JINS 担当者 そして、人の脳みそって、大脳で処理するような複雑なことを考えるのは、二つ以上、同時に処理できないんです。パソコンのCPUって、タスクマネージャーを開いたら、二つのタスクに対して、30パーセント、30パーセントとかってできるじゃないですか。

JINS 担当者 人間はできないんです。人間は1個をどれだけ100パーセントに近づけるかが大事で、2個のことをやってるっぽい人がいたら、これはスイッチしてるだけなんです。なので、スイッチするたびに集中は落ちるんです。効率的じゃないんです。
なので、1個のことを集中してやって、メッセンジャーを見る時間というのは「この30分」って決めちゃって、このときはメッセンジャーだけをやるっていう分担をしないといけない。両方をマルチにやると、最悪です。頭がつらくなっちゃうので、できるだけ、「メッセンジャーはこの時間」と決めたほうが体にとってはベター。
ただ、それが決めにくい時代なんですけどね。

一同 なるほど。

以降、後編へ続く...