突然ですが、みなさんは、昔抱いていた夢、覚えていますか?
幼少期の夢、学生の時の夢、社会人なりたての頃の夢。
サッカー選手、シンガーソングライター、家具職人、投資家、パティシエ…

そして、今、自分はどんなキャリアを歩んでいますか?
昔、思い描いた自分になっていますか?

もしかしたら、今ここにいたかもしれないもう一人の自分
そんな「パラレルに存在していたはずのもう一つのキャリア」という切り口で、「セカンドキャリア」を捉えてみると、全く新しい自分が見えてくるかもしれない。

「次の自分」を考える時に、「今の自分」ではなく、「昔の自分」から考えてみる。
未来の自分をすぐには想像できず、セカンドキャリアの計画を立てきれない方が多い中で、少し切り口を変え、昔の自分から未来を考える。

今回はそういった切り口で、プレシニア(50歳-65歳)のみなさまと「セカンドキャリア」をテーマにミートアップを2018年2月7日(水)に開催しました。

そして、今回は、プレシニア世代、及びその世代を抱える企業に対し、プレシニアの活躍や充実したセカンドライフの継続へ向けた各種事業を検討している企業の皆様にご協力いただき、
通信、住宅、電機、メディアなど、様々な業界の第一線で今もバリバリ働かれている、プレシニアの方、9名のみなさまにまずは昔の自分を振り返っていただきました。

 

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9名それぞれ3つのテーブルに分かれて頂き、各3名ずつのグループトークからスタート。

まずは「あの頃」を思い出してもらうため、「昔好きだったもの」「当時憧れていたもの」をキャリアに限らず、趣味も含め、思いつく限り、付箋に書き出して頂き、「なぜそれをやりたかったか」「なぜそれをやらなかったのか」、その当時の思いとエピソードを各テーブルで語って頂きました。

詩人、ロックミュージシャン、研究者、マジシャン、医者といった本当にジャンルレスな様々な職業、そして、英語、料理といった趣味の領域まで、多くの「あの頃の夢」が出揃い、
最初は固かった参加者のみなさんも、実際に手を動かし、昔の思い出話をするにつれ、少しづつ和やかな表情に。

大学時代好きだった音楽、今でも憧れている起業家、もっと学びたかった学科や趣味など、同世代の他の方のエピソードを聞くことで、自分の当時の思いが喚起され、話も膨らんでいきます。

同じ時代を生きてきた同志だからこそ共感できるもの、全く違うキャリア、そして全く違う環境を歩んできた方のエピソードを聞くことで、より輪郭がはっきりと見えてくる昔の自分のこと、あの当時やりたかった思いや衝動が次第に思い出され、中には熱く当時の思いを語り始める方も。

今回のワークショップでは、各テーブルでディスカッションをした「当時の夢」の中から、「今からやりたいもの」を一つ選んでもらい、最後にみなさんに発表いただきました。

今日は、その時に上がった、昔の自分からあぶり出した、「セカンドキャリア」を少しだけ掻い摘んで、お伝えしたいと思います。

 

 

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amidus—— 今テーブルに出揃った、当時の夢の中から、今からやってみたいことを選んで、お話いただきたいです。そして、その夢を実際に今からやるという前提で、「その夢の実現に向けて今からできること」を合わせて発表いただきたいです。ではまず、Aさんお願い致します。

Aさん—— 今やりたいことは、私は、昔から女性の活躍する社会をつくるのが夢なので、
セカンドキャリアでそれを実現したいです。今日のワークショップを行ってみて、そこの思いは揺るがないということがわかりました。

たとえば、いわゆるサービス業に就く女性。アパレルですとか、ショップの店員さんとか。月収の水準が低い。もっとそういう環境に身を置いている女性が良い待遇、良い環境で働ける社会を実現したい。具体的には、もっと基本給をあげた形で、ネイルサロンを経営したり、女性が生き生きと、そして力強く働く社会を作っていくために、そういう会社を作りたいと思います。

なぜなら、すぐ辞めちゃうんですよね。より良い環境を求めて、すぐ辞めてしまう。せっかくいいものやスキルがあるのに、そこに長くとどまってさらなる成長、スキルアップができにくい環境になってしまっている。

もっと長い目で女性を支えていける、活躍できる場の提供をしていきたい、そう思います。長い環境の中でスキルアップできるような。

そのために今できることは、とりあえずお金を調達しようかなと思います。どういう風に調達していこうか、まだ具体的に描けてないので、色々な方の意見を伺いながらじっくりこれから考えたいと思います。

 

amidus—— ありがとうございます。昔と今も同じ思いを持ち続けているというのはとても素敵なことですね。続いてBさんお願いします。

Bさん—— 実は元々、プロゴルファーをやりたいと思っておりました。

今日のワークショップで昔を思い出した時に、そういえばゴルファーになりたかったと当時のことを思い出しました。

憧れていたプロゴルファーですが、今のキャリアで実現できませんでしたので、今からできることということで、ゴルファーをサポートするキャリーをやりたいと思います。

これは性分として、そして今の仕事もそうなのですが、人をサポートすることが自分に合ってるんじゃないかなと思っていて、そばに寄り添って、パートナーのサポートをしながらコースを回るお仕事をしてみたい。

元々目指そうと思っていた部分もあって、ある程度技術的なことにも自信があるので、それを生かしつつ、全国を回りたい。全国を回る仕事っていいですよね。

一つ条件があるとすれば、私は男なので、男子プロではなく、女子プロにつきたいです。(笑)

実現に向けて今からできることはやはり、20キロから30キロあるキャリーバッグを4日間ほど担いで歩かないといけませんのでので、まずは体力をつけないといけない。筋トレ。それが今できることかなと思います。

 

amidus—— 昔憧れていた夢に少しでも近づくために、
年齢を重ねた今だからできる形で実現に向かって動く、自分のことがわかってきたからこそ、より確実なアプローチが可能になる。素敵なおはなしありがとうございました。では、Cさんお願いします。

Cさん—— 私は今、ラジオ局で営業をしております。
今からやってみたいこと、皆さんと毛色が若干違うのかもしれないですが、朗読者、あるいは声優をやりたいなと思っています。

 

実は私、父がオペラ歌手でして、元々同じ道を進みたかったんですけど、この国でオペラをやって行くというのは、正直厳しい。母親にですね、「年に2回ボーナスがもらえる仕事に就け」と言われて諦めたものの、普段の生活の中でも「いい声だね」と言っていただけることが多かったので、父からもらった唯一の財産をなんとか活かせないかと思って、「喋る仕事」がしたいなと思って入ったのが今の会社です。

喋る仕事がしたいなと思って入ったので、本当はラジオで自分の番組を持ちたい!などと思っていたのですが、そううまくはいかず、今は、営業トークを喋る仕事をしています。(笑)

でもやっぱりどこかで自分は、表現をし続けたいなという思いがあって、今の仕事がひとくくりついたら自分でやろうとおもっています。

昨年から父のつながりで、女性の方と「ピアノと朗読の会」を開きました。やってみて、やっぱり私はこういう仕事がしたいと改めて思ったところがあり、今日のセカンドキャリアも「喋る仕事」にさせていただきました。

今からできること。実は声帯も筋肉なんですよ。それこそこれから先、筋肉弱っていきますので、体力をつけないといけなと思っています。そして実は、2年ほど前からそのために走り始めました。一応私なりにはできることを今、やり始めているところでございます。

そして今まさにやらなくてはならないことは、最終的に、所属するプロダクションを探すことです。どなたかお知り合いがいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください。(笑)

 

amidus—— ありがとうございます。家族との繋がり、昔好きだったもの、
そして今でも好きだったものを改めて大切にして、キャリアを構築していく。
どなたか、プロダクション関係の方いらっしゃいましたら、ぜひご紹介をお願いします。(笑)
では、続いてDさん、お願いします。

Dさん—— 実は私が今週で現役が終わりになるんですよ。

来週から再雇用という形で仕事を。なので、今日のテーマは大変切実で現実的なテーマでして、真剣に取り組ませていただきました。(笑)

そんな切実な私がこれから取り組みたいこと、それは今、全国に820万あると言われている空き家の活用。現実的(笑)なので、まずは自分の家族が持っている古民家を地域貢献に生かしたいと思っています。

売ろうかとも思ったのですが、田舎なので売れそうにない。そして、基本的には古民家。そのままにはできないので、まずはりフォームから初めて、環境を整えて、人をお招きしたいと思っています。

今日話していても思ったのですが、東京で暮らしていて、田舎の良さだったり、大自然だったり、そういうものが好きということに改めて気づきました。

というのも、その古民家があるところはとても田舎なんですが、外に畑があって、それがすごくいい。田畑を耕す、自然と向き合うということは、自分の行動の結果が、全て自分に跳ね返ってくるのでそれがまた楽しい。そういった都会でできない体験をお客さんと一緒に体験しながら楽しくキャリアを設計できればと思っています。

そのために、受け入れの準備は色々行なっていて、料理教室に通っています。料理自体も趣味としても楽しいですし、そこでのコミュニティ交流もあったりして、楽しみながら準備に励んでいます。今できること、というより、今していることがそれですね。

 

amidus—— 実に具体的で、そしてなにより今楽しみながらやっているその気持ちが、
お話から伝わってきました。昔から好きだった環境に、退職後身を置いてみる、というのも一つの選択肢なのかもしれませんね。では、Eさんお願いします。

 

Eさん—— 私、実は全然趣味がなくて、仕事が趣味みたいなものでやってきたので、正直、今日来た時に何書こうかなと思ったんですけど….

私は、匠になりたい!です。

匠っていうのは、テレビでリフォームの匠とか色々やってますが、私が思う「匠」は「手で何かを作る人」。

それが工芸品なのか文章なのか、私は何が得意かまだわからないですが、そういうのも全部ひっくるめて、手で何かを作る仕事=匠になってみたいなというのを、今日このワークショップで思いました。

なんでかって言うと、「セカンドキャリア」とパッと聞いて考えると、「人のためになることをしなきゃ」とどうしても思いがちで、今日ここに来るまで私もそう思ってたんですが、別に自分のために好きなことをしてもいいじゃんと。骨董収集と販売だったいいじゃんと思って。

理由は、昔リストラされて1年間ぐらい空白があった時に、本当に何もすることがなくて、ずっと家にいた時期があったんです。どうしようもなくて、一日中何か楽しいことがあればいいなと考える毎日。そんな毎日はもう送りたくない。

これからの人生あと何十年か、何もすることがないのが一番悲しいので、自分のために、自分がワクワクすることを見つけたいなと思います。

これから没頭したいことは、今は特に描けてないので、まず、すぐ出来る事として、行動を起こしてみようと思います。

たくさんの人と会うとか、ワークショップに積極的に参加するとか、人との繋がりを増やすとか。もともと詩とか文章を書くということが好きなので、そういった匠を目指すのもありかもしれないなと思いつつ、今はまだ「何か特定のキャリア」を決め込まずに、何かの匠になることを目指して、趣味探しを続けて生きたいと思います。

amidus——  ついついセカンドキャリアというと、どこか構えて考えてしまいがちですが、
あえてまだ何も決めずに、広く自分のためになることを探してみる、そのために行動を起こす。決まっていないながらも、行動を起こしていくというのは、とてもすごいことですね。大切だと思います。
では続きまして、Fさんお願いします。

 

Fさん—— 今日はですね、いい意味で何も考えずにここにきました。
本当に全く何も考えていなかった、それがいいように働いたのかな。

趣味でもなんでもいいから、昔の夢を洗い出してと言われた時に、昔、ギターを好きで弾いていたことを思い出しました。

高校の頃、学園祭やライブで弾いていて、わざわざ田舎から上京して、ボブディランのコンサートを見に行ったり、結構熱心だったのですが、大学入った瞬間に、音楽なんて芽がない、自分には才能がないと思って、やめてしまったんです。

そんな中、私には息子がいるのですが、実は息子が、就職する前に大学出てからしばらくプー太郎をやっていて、しかもそれが実は、音楽でプー太郎やっていました。(笑)

結局、私同様、その道にはいかなかったのですが。(笑)

今日いろいろ思い出しているうちに、血は争えないと言いますが、もしかしたら、息子も私も音楽を本気でやりたかったのかなと思ったんです。

なので、私の今やりたいセカンドキャリアはシンガーソングライターにしました。
人前に立って、コンサートを開きたい。そう思いました。

今からそこに向かってやることは、まず楽器がないので、楽器を買わなければいけない。まだ楽器すら持っていない、シンガーソングライターなので(笑)

楽器を買って、音楽教室に通って、昔作った曲を掘り起こして、もう一度弾いてみたい、そして歌ってみたい。もしかしたら、今だからこそ書ける詩もあるかもしれない。新たに作詞作曲にも挑戦してみたいです。そのあとは、まず YouTube で公開してみて反応を見たいと思います。

 

amidus—— 息子さんも追いかけた夢を、父がセカンドキャリアで実現するって、
とても素敵ですね。まさに、元々追いかけていた夢から、セカンドキャリアを設計している。あの頃の高揚感と初期衝動を次のキャリアに活かしていくことができれば、さらに活き活きと生きていくことができるのかもしれません。
では、最後にGさんお願いします。

Gさん—— 僕は、これからやるとすれば研究者かなと思います。

昔からなに何か一つのことを極めていくというのはとても好きなので、僕はそう言ったことをやってみたいなと思っています。

今日改めて、自分の趣味得意なことを考えた時に、ふと浮かんだのが、僕はワイシャツにアイロンをかけることがとてもうまいこと。たぶん 鎌倉シャツのアイロンをかけさせたら、僕は日本一うまいんじゃないかなと思っています。(笑)

なので、アイロンスキルを突き詰めたいと思っています。

というのは、半分冗談で、大小あれど、そういった何かを突き詰めている人、つまり「研究者」の方って世の中にたくさんいると思うんです。もっと言うと皆、誰もが何かの研究者であると思ってます。

たとえば、皿洗いがうまいとか、風呂掃除がうまいとか、電球を換えるのがうまいとかそう言うところを突き詰めてやっている人、いらっしゃると思うんですね。

今のシェアリングエコノミーの世界において、そういう個人が持っているスキルを活かせる場作りをセカンドキャリアとして取り組んでいきたいです。

特に主婦の方もそうですけど、リタイヤしてしまった人もそうですし、もしかしたら意外なスキルというのは世の中にたくさん眠っているのかもしれないと思っています。

そういうスキルを活用する場を作る事、つまり、スキルを教える人とそのスキルを欲している人とのマッチングのサービスは、ビジネスになるかもしれないんじゃないのかなと思っています。自分も年を取ったら アイロンかけに行きたいなーと。(笑)

 

amidus—— 昔からの変わらない自分の性分に焦点を当てて、
セカンドキャリアを設計する。そして、そこから社会貢献まで広げて、自身のやりがいをつくると言うのはセカンドキャリアとして取り組んでいくことのモチベーションの一つになるのかも知れません。
みなさま、ありがとうございました。

 

 

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小学生の頃、きっと皆さん書いたであろう「将来の自分」の作文。
何を書いたか覚えていますか?

「テーマは自由、なんでも好きなことを書いていい。ただ、この400字詰の原稿用紙を埋めろ。」

セカンドキャリアの設計もどこか、それに似ているような気がします。
あまりにも自由な作文。一体何を書けばいいのか。
400文字という「残りの文字数」が決まっている中で、その文字を埋めていかなくてはならない。

自由すぎる作文は書きづらいものです。

今回のように少しテーマを設けて、昔の自分を思い出してみる、かつて好きだったことをとりあえず書いてみる。そんな風に考えると、少し筆も進んでいくのではないでしょうか。

寿命100年時代、それぞれがそれぞれの生き方を設計する中で、
あなたがこれから描く「将来の自分」の作文は一体どんな文章でしょうか?

それはもしかしたら、とても甘美なきらめいた文章かもしれない、

それはもしかしたら、人に影響を与え、後世に語り継がれる名文かもしれない、

それはもしかしたら、精緻で静かで、豊かなひっそりとした文章かもしれない。

まずは筆を取る。
今できるところから考えてみると、自分しか書けないとても素敵なセンテンスを紡げるかも知れません。

 

(終)